応用生態工学会 第28回新潟大会で優秀口頭発表賞を受賞しました
2025.09.16
(一社)応用生態工学会 第28回全国大会新潟大会2025が開催され、当社の技術者が、中小河川の河道設定と洪水攪乱による水生生物群集変動との関係性について発表し、口頭発表優秀賞を受賞しました。
応用生態工学会は、生態学と土木、河川工学などの工学的知見を融合し、「人と生物の共存」「生物多様性の保全」「健全な生態系の持続」を共通の目標として掲げる学術団体が主催しています。
毎年、全国大会として研究発表会・公開シンポジウム・企業展示・懇親会・現地見学(エクスカーション)等を開催し、研究者・行政・民間技術者が一体となって最新の研究成果や実践事例を共有し、産学官の連携や技術・知見の普及を図る場となっています。
【発表概要】
発表者:土方宏治
テーマ:中小河川の河道設定と洪水攪乱による水生生物群集変動との関係性について
土方 宏治(岐阜大学大学院、大日コンサルタント(株))
原田 守啓(岐阜大学環境社会共生体研究センター)
植村 航平(大日コンサルタント(株))
概 要:本研究は、中小河川における洪水攪乱が水生生物群集に与える影響を緩和する河道設定のあり方を検討しました。具体的には、異なる攪乱強度の区間において、流れ避難場指標と洪水前後の魚類およびベントス(川底に住む水生昆虫など)個体群の変動を分析しました。
本研究により、魚類とベントスでは洪水攪乱に対する抵抗性を高めるために必要な要素が異なることが示されました。洪水攪乱の緩和には、魚類においては大きな空間スケールでの流れ避難場の配置が、ベントスにおいてはライフサイクルを満たす環境要素の保全および創出が重要であると結論付けました。

