清流の国ぎふづくり「自然共生」事例発表会で発表しました
2024.11.15
岐阜県主催の第12回清流の国ぎふづくり『自然共生』事例発表会が開催され、当社の技術者が研究成果を発表しました。
この発表会は、「清流の国ぎふ」づくりを推進するため、県内各地で実施されている自然共生に関する事業や取り組みを評価し、その情報を関係者や県民の方々と共有することで、県下の自然共生に関する取り組みを向上させることを目的に開催されています。
当社からは2名が「自然共生工法研究会 魚道研究部会」と、「岐阜大学水系動態研究室」の代表として発表しました。
【発表概要】
発表者:岐阜県自然共生工法研究会 魚道研究部会:清水 裕介
テーマ:センサーを用いた魚道遡上調査および機械学習による魚影画像の判別
概 要:魚道の継続的な機能発揮のためには適正な維持管理が求められますが、そのためには基礎情報となる魚道機能の把握が重要になります。本研究では魚道機能の把握手法として、水田魚道用のセンサーカメラを参考に、高精度かつ効率的に魚類の遡上状況を調査可能な装置および分類手法の開発を行いました。今回の研究では、センサーを用いた遡上計数装置を実河川で実験したほか、魚影写真を用いた機械学習による画像判別を行い、実用化に向けた課題を整理し、課題解決に向けた研究方針を報告しました。
発表者:岐阜大学水系動態研究室:土方 宏治
テーマ:落葉を多く溜められる河道では水生生物も多いのか? ~河川地形と水深・流速分布の違いに注目して~
概 要:河川の上流域では滞留した「リター」(落ち葉や枝などの有機物)を一次生産者とした栄養カスケードが形成されます。上位栄養段階のバイオマス増加のためには、リターをより多くより長く滞留させられる河道を整備することが効果的と考えられますが、改修された河川地形とリターによるボトムアップカスケードのインパクト・レスポンスの関係性はわかっていません。本研究ではこれを明らかにし、リターによるボトムアップ効果を高められる河川地形について考察し、河川の上流域におけるリターが生態系に与える影響について報告しました。