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土木学会全国大会 第79回年次学術講演会で論文を発表しました

令和6年度 土木学会全国大会第79回年次学術講演会が開催され、当社の技術者が4部門4タイトルで論文を発表しました。

土木学会の年次学術講演会は、学会の最大行事であり、研究部門が一同に会する貴重な機会です。
当社の技術者は、学術や技術研鑽、土木技術に関する情報と知見の収集、人脈形成のため、毎年発表を行っております。


【発表概要】

(第Ⅵ部門:維持管理(検査技術))
発表者牧野 徹
論文タイトル自治体管理の小規模橋梁における定期点検手法の最適化に関する研究
概 要全国の橋梁数は約73万橋あり、その約5割(39万橋)が中小規模自治体(市町村)の橋梁である。中小規模自治体では、財政状況が厳しく技術職員数も限定されおり、膨大な数の橋梁を定期的に点検することが大きな負担となっています。一方、これら自治体の橋梁の約8割は橋長15m未満の小規模橋梁であり、さらにその約4割が過去の定期点検で健全(健全性Ⅰ)と報告されています。本研究チームでは、中小規模自治体の小規模で健全な橋梁に着目し、点検品質を担保しつつコスト縮減が可能な定期点検手法と、この手法を適用する場合の継続的な維持管理体制について、大阪府内の市町村を対象に研究を実施しています。本発表では、研究の概要と今後の課題について報告しました。


(第Ⅳ部門:交通運用管理(交通安全))
発表者小寺 真孝
論文タイトル幹線道路における路面点滅誘導灯の設置による速度・急減速抑制効果
概 要埼玉県内の国道298号は、国道の上部を東京外環自動車道が通過し、左右を遮音壁で囲まれる特殊な走行環境に起因して、昼間でも暗い区間があり、そのような区間において滞留末尾への追突事故が発生しています。そこで、追突事故の抑制を目的として、車道両側の縁石上部にLED誘導灯を設置しました。本発表では、LED誘導灯の設置の効果について、設置前後の追突事故件数の変化、設置区間を通行されたドライバーの対策に対する意識を分析した結果について報告しました。


(第Ⅰ部門:橋梁一般(設計))
発表者:坂井田 実
タイトル:背の低い歩行者の眺望に配慮した中路式単純鈑桁歩道橋の建設
概 要景観地区に架けられた単径間歩道橋(高山市行神橋,幅員3.0m,支間長40.9m)において、鋼中路鈑桁の支間中央付近の腹板にトラス構造を採用することによって、子供などの視点高さの低い利用者が桁下の川面に親しめるようにしました。主桁の設計は、桁端付近を梁要素、支間部をトラス要素で構成した骨組に対する面内解析で求めた設計断面力を用いて行いました。本発表では、利用者目線の景観に配慮した歩道橋の建設事例として紹介しました。


(共通セッション:地域における建設業のこれからのあり方)
発表者:平田 武史
タイトル:地域の測量設計業における災害対応力向上の取り組み
概 要近年の自然災害の頻発や激甚化は、岐阜県においても例外ではなく、平成30年7月豪雨や令和2年7月豪雨等、甚大な被害が生じています。岐阜県測量設計業協会は、岐阜県における公共の福祉の増進に寄与することを事業目的としており、会員企業による県下の災害復旧業務への対応は、その重要性が高まっています。また、 災害復旧業務においても働き手の減少や働き方改革等の社会情勢の変化を踏まえた持続可能な対応を進めて いく必要があります。これらの背景を踏まえて、会員企業が協働して行った災害対応力向上の取り組みについて事例報告しました。